中古マンションの築年数は何年目が狙い目?年数ごとの資産価値も解説

中古マンションの築年数は何年目が狙い目

中古マンションの築年数は、何年目が狙い目なのか悩んでいませんか?
築年数が新しいと価格は高く、古いと耐震性に不安を感じている方も多いと思います。
今回の記事では、中古マンションの築年数は何年目が狙い目なのか解説していきます。
その他にも年数ごとの資産価値や築年数以外の注意ポイントも見ていきたいと思います。
この記事を読むことで、何年目の中古マンションを購入すればよいか知ることができるため、ぜひ最後までお付き合いください。

中古マンションの築年数は何年目が狙い目?

中古マンションの築年数の狙い目は、築25年前後以降がおすすめです。
「新しいマンションが狙い目じゃないの?」と思うかもしれませんが、資産価値から見ると必ずしもそうではありません。
マンションの建物部分は年々古くなっていくため、減価していきます。
ただ、最終的に価格が0円になることはないため、ある程度下げ止まるタイミングがあります。

中古マンション成約状況

築年数 成約価格(万円)
築0~5年 6,136
築6年~10年 5,538 (598減)
築11~15年 4,886 (652減)
築16~20年 4,685 (201減)
築21~25年 3,746 (939減)
築26~30年 2,275 (1471減)
築31年~ 2,040 (235減)

参照:公益財団法人東日本不動産流通機構 築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

こちらのデータから、築年数別で成約している価格が確認できます。
一番下落が少ないのが、「築11~15年」から「築16~20年」の201万円減で、その次に「築26~30年」から「築31年~」の235万円減となります。
数字だけ見れば11年〜20年のマンションが良さそうですが、「築26年〜30年」で1,471万円減と大きな下落があります。

その点を踏まえて資産価値を考えると、築25年前後以降が狙い目です。
築25年あたりが下げ止まりのタイミングで、ここから建物の下落も少なくなっていくことが予想されます。
ただ、25年以降であればどれだけ古くてもよいかというとそうではありません。
古いマンションは価格が低い代わりに、耐震性に不安があり、売れにくくなるリスクもあります。
ここで古さの目安となるのが、新耐震基準です。
続いて新耐震基準について解説します。

新耐震基準とは?

建築基準法が改正された1981年(昭和56年)6月以降に建築確認を取得して建築された建物は新耐震基準を満たしていると判断できます。
新耐震基準はそれまでの旧耐震基準のマンションと比べ、耐震性の基準が厳しくなっています。

新耐震基準と旧耐震基準の比較は以下となります。

新耐震基準 ※1981年(昭和56年)6月以降 震度6~7の大規模地震があっても倒壊しないレベル
旧耐震基準 ※1981年(昭和56年)6月より前 震度5強程度の中規模地震に対して倒壊しないレベル

平成7年の阪神大震災の時には、新耐震基準マンションのほとんどで大きな損壊がなかったと言われています。

新耐震基準のマンションは、購入検討者が物件を判断するときに基準にしている大きなポイントです。
そのため、新耐震基準か旧耐震基準かで資産価値も変わってきます。

購入する際は、新耐震基準のマンションを選ぶことをおすすめしますが、新耐震基準かどうか判断するうえで注意するポイントがあります。
それは、1981年6月以降に建築確認を取得しているという点です。「築年月日が1981年6月以降であれば新耐震基準」というのは間違いなので注意しましょう。
通常、建物を建築するときは、建てる前に市町村に建築する建物の内容を申請します。
この申請を建築確認と言います。
建築確認の年月日がわかる書類があれば確認できますが、ない場合は建築年月日から考えないといけません。

マンションの場合、規模にもよりますが、建築の工期に1年〜1年半かかるのが一般的です。
仮に建築確認から1年後にマンションが完成しているとすると、1982年(昭和57年)となります。
新耐震基準以降のマンションを探す場合は、余裕を見て、1983年(昭和58年)以降で探すのがよいでしょう。

年数ごとの資産価値

続いて築年数ごとの資産価値を見ていきたいと思います。
以下の表は2021年に首都圏で築年数別に成約したマンションの㎡単価のデータとなります。

中古マンション成約状況(万円/㎡)

築年数 ㎡単価
築0~5年 94.63
築6年~10年 82.83(12.4%減)
築11~15年 69.41(16.2%減)
築16~20年 64.35(7.2%減)
築21~25年 54.10(15.9%減)
築26~30年 37.15(31.3%減)
築31年~ 35.61(4.1%減)

引用:公益財団法人東日本不動産流通機構 築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2021年)

このデータから分かるようにマンションは一律に下がるわけではなく、年数ごとで下落幅が異なります。
新築から15年までは、10%を超える下落ですが、築16〜20年に一旦下落が落ち着きます。
そして、築21年〜25年で再び下落幅が大きくなりますが、築26年〜は下落幅が落ち着いていきます。
一番下落幅が少ないのは、築26年以降となりますので、このデータからも築年数からみた狙い目は、築25年前後以降だということがわかります。

ただ、あくまでも成約した物件のデータで全てのマンションに当てはまるわけではないので、参考にしてもらえればと思います。

中古マンションの寿命は?

続いてマンションの寿命について解説をします。
マンション購入を考えている方の中には「マンションの寿命は何年?」と思ったことがある方もいると思います。
リフォームやリノベーションで室内が綺麗になっていたとしても、築年数が古いマンションに対して「数年後に建て替えになるのかな?」や「地震があったときどうしよう」という不安の声を耳にします。

そこで、寿命に関するデータを確認したいと思います。
2013年に国土交通省から発表された資料によると鉄筋コンクリート造建物の物理的寿命は117年と推定されています。

参照:RC造(コンクリート)の寿命に係る既住の研究例

上記データのマンション寿命は、マンションの規模や管理・修繕状況によって変わりますが、メンテナンスがされていれば長く住めることが分かるデータとなります。

築年数以外に注意するポイント

築年数以外に注意するポイント
中古マンションを購入するにあたって、築年数はもちろん大事ですが、他にも大事なポイントがあります。

これらに注意することで、下落のリスクを更に抑えることができます。
以下の4つのポイントに注意して購入を考えてみましょう。

  • ・駅までの距離
  • ・管理、修繕状況
  • ・周辺環境
  • ・方角、日当たり

1つずつ確認していきましょう。

駅までの距離

最寄り駅までの距離は、下落を抑える大事なポイントです。
マンションは一戸建と比べて、駅近を求める傾向があり、駅の近さが資産価値に大きな影響を与えます。
駅近と言われるのは、駅徒歩5分圏内ですが、駅の近さに比例して物件価格も上がる傾向にあります。

ただ、その分価格の下落を抑えることができますので、購入可能な価格帯であれば可能な限り駅近マンションを購入することをおすすめします。
駅の近さで気を付ける点としては、駅に近すぎて電車の騒音などがあると逆に下落しやすくなる可能性がありますので、注意しましょう。

管理・修繕状況

マンションの管理状況や修繕状況も大事なポイントです。
マンションは定期的に大規模な修繕が必要になりますが、この修繕をしないと、劣化が早く進んでしまい、資産価値が下落しやすくなってしまいます。
定期的に修繕されていないマンションだと、急な修繕一時金の発生や修繕積立金の値上げが起こります。
一般的には新築分譲時に長期修繕計画が作成されており、どのくらいのタイミングで修繕工事を行うかシュミレーションされている書類があります。
購入検討している物件を担当している不動産会社に依頼して確認しておいた方がよいです。
また、過去の修繕履歴も確認し、今後どの程度修繕が必要なのか修繕積立金の計画を確認しておきましょう。

周辺環境

周辺環境も下落を抑えられるポイントとなります。
周辺環境は以下を確認しましょう。

  • ・スーパーマーケット、ショッピングモール、コンビニなどの距離
  • ・小学校、中学校、保育園、幼稚園の距離
  • ・公園や病院などの距離

生活する上で利用する施設へのアクセスが高いと、資産価値は下落しにくくなります。
駅までの距離も重要ですが、周辺環境の利便性にも目を向けるとよいでしょう。

方角、日当たり

マンションのバルコニーの向きや日当たりも大事なポイントです。
マンションの方角は、南向きの需要が高く、特に角部屋は人気があります。
そのため、角部屋は資産価値も落ちにくいです。採光がよいことはもちろん、風通りがよく通風の面でもメリットがあります。
角部屋は中部屋に比べて物件価格は高いですが、下落もしにくいため、おすすめです。

住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、一定条件を満たした物件を、住宅ローンを利用して購入した場合に、支払った所得税や住民税が一部戻ってくる制度です。
令和4年度税制改正の大綱において、住宅ローン減税が改正される予定です。
詳細は以下を参照してください。
参照:国土交通省HP 報道発表資料 (別紙1) 令和4年度住宅税制改正概要

住宅ローン減税が利用できるマンションの築年数についても変更されている内容が盛り込まれています。
今まで、マンションについては「築25年以内」が要件となっていましたが、「昭和57年以降に建築された住宅」(新耐震基準適合住宅)に緩和される予定です。
この住宅ローン減税でも、築25年前後以降で新耐震基準を満たしているマンションが狙い目だということになります。

まとめ

今回は中古マンションの築年数の狙い目や築年数ごとの資産価値を解説しました。
資産価値で見て、築何年のマンションを購入すればよいか知っていただけたと思います。
もちろん、資産価値だけで中古マンション購入を判断するわけではありません。
ただ、将来売却する可能性は誰でもありますので、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

関西不動産エージェントなら仲介手数料が最大無料!

関西不動産エージェントでは、中古マンション購入時の仲介手数料が最大無料でご利用いただけます。
売主が業者の場合は、買主様からはいただきません。
売主が一般の方で仲介手数料をいただけない場合は、買主様から半額をいただく仕組みとなっています。

中古マンションの購入を検討中でしたら、まずはお気軽にお問い合わせください。

関連記事
中古マンションの購入にかかる諸費用とは?その内訳を解説!
中古マンションと中古戸建を購入する際のそれぞれのメリット・デメリット

この記事の筆者

関西不動産エージェント

不動産業界は、とても閉鎖的な業界で 一般の方にとって情報があまり開示されておらず、お客様が損をしていることに気づいていないケースがたくさんあります。
そういった閉鎖的な業界の“当たり前”を変えていきたいという熱意で関西不動産エージェントのサービスを開始致しました。
そしてこのコラムでは宅地建物取引士、建築士等を所持しているエージェントが、お客様のライフワークにおいて大きな負担となる不動産コストを賢く節約するための情報を中心に提供していきます。
不動産の購入や売却をご検討の方の参考になれば幸いです。